小春日和
きれいで明るい店内
“チリンチリン”
鐘の音がする
いらっしゃいませ
あっ これはこれは…
⚪️⚪️様でいらっしゃいますか
すっかりお元気になられて
また、お越しいただきありがとうございます
さぁ どうぞこちらへ
おかげさまで主人もこのとおり
もうすっかり
普通の生活に戻れましたのよ
ねぇあなた
ご無沙汰しております
その節はお世話になりました
今日は定期の診断で来ました
それだけじゃないでしょう?
あなた ずっとこちらのシチューを
食べたいって言ってたじゃない
そりゃそうさ
入院していたときは食事制限で
面会に来たお前たちが
美味しそうに食べているのを
指を加えて見ていたんだから
となりのテーブルから
穏やかな笑い声が
聞こえてくる
ふと気がつくと
となりの人たちを
父がじっと見つめてる
フォークとスプーンの手をとめて
心なしか
不安そうな表情を浮かべて
父はこれから入院して
手術を受けるのだ
はやく、あんな笑顔で笑いたい…
きっとそう思っているに違いない
大丈夫だよ
お医者さんも
手術すればきっと治るって
言ってたじゃない
さぁ元気だして食べよう
ナボリタンさめちゃうよ
食後に紅茶でも飲もうか
大きな窓から
明るい光が降り注いでる…
大丈夫だよ!お父さん
お父さんを想ってあげてるこころ優しい素敵な詩で、読んでて幸せを感じ、とてもほっこりしました。
病気になると健康のありがたみが分かるだけでなく、家族や周りの人の優しさが心に沁みますよね。