僕が、このお話を初めて聞いたのは、次男(現在は高校1年生)の、小学校卒業式での、校長先生のお話でした。
おとなしい感じの校長先生で、どんな話をするのか、あまり期待はしていなかった(笑)のですが、
話にどんどん引き込まれていき、最後には胸が熱くなり、目頭も熱くなったのを覚えております。
その後、このお話を、ネット等で探しても見つからず、諦めていたら(というか忘れていたら)、
クリスマスのほっこりするお話として、僕の先輩が、FBでフォローして掲載していたので、
僕もフォローした次第です。
クリスマスのシーズンでもあるので、こちらに投稿させていただきますね。
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先生が5年生の担任になった時、
一人、服装が不潔でだらしなく、
どうしても好きになれない少年がいた。
中間記録に先生は少年の悪いところばかりを
記入するようになっていた。
ある時、少年の一年生のときの記録が目にとまった。
「朗らかで、友達が好きで、人にも親切。
勉強も良く出来、将来が楽しみ」とある。
間違いだ。他の子の記録に違いない。
先生はそう思った。
二年生になると
「母親が病気で世話をしなければならず、時々遅刻する」
と書かれていた。
三年生では
「母親の病気が悪くなり疲れていて、教室で居眠りする」
後半の記録には
「母親が死亡。希望を失い、悲しんでいる」
とあり
四年生になると
「父は生きる意欲を失い、アルコール依存症となり、
子供に暴力を振るう。」
先生の胸に激しい痛みが走った。
ダメと決め付けていた子が
突然、悲しみを生き抜いている生身の人間として、
自分の前に立ち現れてきたのだ。
放課後、先生は少年に声をかけた。
「先生は夕方まで教室で仕事をするから、
あなたも勉強していかない?
分からないところは教えてあげるから」
少年は初めて笑顔をみせた。
それから毎日、少年は教室の自分の机で
予習復習を熱心に続けた。
授業で、少年が初めて手を上げたとき、
先生に大きな喜びが沸き起こった。
少年は自信を持ち始めていた。
クリスマスの午後だった。
少年が小さな包みを先生の胸に押し付けてきた。
後であけてみると、香水の瓶だった。
亡くなったお母さんが使っていた物にちがいない。
先生はその一滴をつけ、夕暮れに少年の家を訪ねた。
雑然とした部屋で独り本を読んでいた少年は、
気がつくと飛んできて、先生の胸に顔を埋めて叫んだ。
「ああ、お母さんの匂い!
今日は素敵なクリスマスだ」
6年生では、先生は少年の担任ではなくなった。
卒業の時、
先生に少年から1枚のカードが届いた。
「先生は、僕のお母さんのようです。
そして、今まで出会った中で、
一番すばらしい先生でした。」
それから6年。
またカードが届いた。
「明日は高校の卒業式です。
僕は5年生で、先生に担任してもらって、
とても幸せでした。
おかげで、
奨学金をもらって
医学部に進学することができます」。
十年を経て、
またカードがきた。
そこには
先生と出会えたことの感謝と、父親に叩かれた体験があるから
患者の痛みがわかる医者になれると記され、こう締めくくられていた。
「僕はよく5年生の時の先生を思い出します。
あのまま、だめになってしまう僕を救ってくださった先生を神様のように感じます。
大人になり、
医者になって僕にとって最高の先生は、
5年生の時に
担任してくださった先生です。
そして1年。
届いたカードは、
結婚式の招待状だった。
「母の席に座ってください」と一行。
書き添えられていた。
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このお話は、『心に響く小さな5つの物語』(到知出版社)の中の1つとして載っているようです。
クリスマスにほっこりしていただければ幸いです。
久しぶりに読み返しましたが、何度読んでもやっぱり目頭が熱くなります。
そして、ついにこの素敵なお話が殿堂入りしました!
ご紹介してくださり心より感謝です!有難うございます〜〜〜!!!
ご投稿ありがとうございます。
とっ・・・・・ても素敵なお話です。涙。。。